日本の教師が世界一のブラック企業!教師に休息を与えよ!
OECD(経済協力開発機構)国際教員指導環境調査の結果から、日本の教員の長時間勤務は国際的にみても異例であることが分かる。1週間の仕事時間は小学校54.4時間、中学校56.0時間で、ともに参加国・地域の中で最長。一方で職能開発にかける時間は小中とも最短だった。
<1週間あたりの小学校教員の勤務時間>
1位 日本 54.4時間
2位 イングランド 48.3時間
3位 ベトナム 43.7時間
3位 オーストラリア 43.7時間
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最下位トルコ 31.7時間
<1週間あたりの中学校教員の勤務時間>
1位 日本 56.0時間
2位 カザフスタン 48.8時間
3位 アルバータ(カナダ) 47.0時間
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最下位ジョージア 23.5時間
教員に求められる資質能力
このような社会の大きな変動に対応しつつ、国民の学校教育に対する期待に応えるためには、教育活動の直接の担い手である教員に対する揺るぎない信頼を確立し、国際的にも教員の資質能力がより一層高いものとなるようにすることが極めて重要である。
教員に求められる資質能力については、これまでも本審議会等がしばしば提言を行っている。例えば、平成9年の教育職員養成審議会(以下「教養審」という。)第一次答申等においては、いつの時代にも求められる資質能力と、変化の激しい時代にあって、子どもたちに〔生きる力〕を育む観点から、今後特に求められる資質能力等について、それぞれ以下のように示している。
いつの時代にも求められる資質能力
教育者としての使命感、人間の成長・発達についての深い理解、幼児・児童・生徒に対する教育的愛情、教科等に関する専門的知識、広く豊かな教養、これらを基盤とした実践的指導力等
今後特に求められる資質能力
地球的視野に立って行動するための資質能力(地球、国家、人間等に関する適切な理解、豊かな人間性、国際社会で必要とされる基本的資質能力)、変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力(課題探求能力等に関わるもの、人間関係に関わるもの、社会の変化に適応するための知識及び技術)、教員の職務から必然的に求められる資質能力(幼児・児童・生徒や教育の在り方に関する適切な理解、教職に対する愛着、誇り、一体感、教科指導、生徒指導等のための知識、技能及び態度)
得意分野を持つ個性豊かな教員
画一的な教員像を求めることは避け、生涯にわたり資質能力の向上を図るという前提に立って、全教員に共通に求められる基礎的・基本的な資質能力を確保するとともに、積極的に各人の得意分野づくりや個性の伸長を図ることが大切であること
また、平成17年10月の本審議会の答申「新しい時代の義務教育を創造する」においては、優れた教師の条件について、大きく集約すると以下の3つの要素が重要であるとしている。
・教職に対する強い情熱
・教師の仕事に対する使命感や誇り、子どもに対する愛情や責任感など
・教育の専門家としての確かな力量
・子ども理解力、児童・生徒指導力、集団指導の力、学級づくりの力、学習指導・授業づくりの力、教材解釈の力など
・総合的な人間力
・豊かな人間性や社会性、常識と教養、礼儀作法をはじめ対人関係能力、コミュニケーション能力などの人格的資質、教職員全体と同僚として協力していくこと
これらの答申の文言や具体的な例示には若干の違いはあるものの、これからの社会の進展や、国民の学校教育に対する期待等を考えた時、これらの答申で示した基本的な考え方は、今後とも尊重していくことが適当である。むしろ、変化の激しい時代だからこそ、変化に適切に対応した教育活動を行っていく上で、これらの資質能力を確実に身に付けることの重要性が高まっているものと考える。
また、教職は、日々変化する子どもの教育に携わり、子どもの可能性を開く創造的な職業であり、このため、教員には、常に研究と修養に努め、専門性の向上を図ることが求められている。教員を取り巻く社会状況が急速に変化し、学校教育が抱える課題も複雑・多様化する現在、教員には、不断に最新の専門的知識や指導技術等を身に付けていくことが重要となっており、「学びの精神」がこれまで以上に強く求められている。
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