「元教師のノンフィクション小説 第4章『一発逆転』」
一歩その頃ジョーカーも同じくピンチを迎えていた。
とある日の朝早く。シェアハウスを経営していた彼の家に友達が来週引っ越してくることになったのである。今日は荷物の搬入を少しするということなので朝から友達が家に遊びにきていたのだ。
彼らの趣味はもちろん葉っぱ。
「荷物搬入の前に一服でも決めますか」とソファーに座り談笑をしていた。
その時である。
「ハロー!ミスターリッチはいるかい?」
ガレージを全開にしていたのでそこから人が2人現れたのである。
制服を着た警官だった。
ジョーカーはくわえていたジョイントをすぐさま投げ捨てた。
「ハーイ、どうした?リッチーは先週引っ越したぜい」
「おーそうなんだ。どこに引っ越したか知ってる?罰金の支払いの滞納があってね!彼がいないか確認しに来たんだ。」
(あぶねーどうにか切り抜けたぜ。。。)
「・・・・ん?なんか臭うぞ!この匂いはまさか」
「ドント・ムーブ(動くな)フリーズ(固まれ)」
「この匂いは葉っぱだな、直ちに捜査する。」
「壁に両手をついて動くな!」
1名の警察官が彼らを見張り、もう1人が家を捜索する。
でてくるでてくる違法なもの。そしてそれらを使用する道具。
完全に見つかってしまったのである。パスポートや身分証も押収され、家の住民のみんな呼び出される。そして庭にある、栽培してあるものもついには見つかってしまった。
さすがのジョーカーもこの時は焦ったそうだ。強制帰国、強制送還、ビザ剥奪、刑務所、いろいろなことが頭を駆け巡ったそうだ。
家での捜索と取り調べが始まって2時間。。。英語が分からないふりをして必死に誤魔化すジョーカーたち。「アイムソーリー」と「リアリソーリ」を連呼し、めんどくさいピュアなアジア人を演技した。「これは俺らのじゃない」「昨日オーストラリア人たちとパーティーをしたんだ」「そのときに友達が持ってきた」などわざと下手くそな英語で説明したのである。
しかし、そこへタイミング悪く仲間のオーストラリア人も家へ帰ってきてしまったのである。
問答無用で手錠をかけられ、パトカーに乗せられていく。全てが終わった瞬間だった。
仲間をかばうためジョーカーは作戦に出る。
「これは全て俺が行った。葉っぱが好きで好きでたまらない。」
「何が悪で何が正義だ?」
「俺はタバコはやらない。アルコールもやらない。」
「でも自分が正しいと思ったことを全力でやる!」
「これが本当に悪なのなら、俺はオーストラリアを疑う!」
警察官がこう答える
「いいか、これは違法だ!ただし、、、、お前らに猶予を与えよう」
ジョーカーの心の声が警察官に響いたのだ。
まさかの逮捕容疑から一変して、解放されたのである。もちろん全てを没収されたが、身柄や身分は保たれたのである。まさかの起死回生。誰も捕まることなくこの一件は終えたのであった。
「もうやるなよ」
そう言って警察官は帰っていった。
警察官がいなくなったのを確認して、
ジョーカーは家のあるところから押収された量の10倍はあるかという量を取り出し、そこからジョイントを作り、また吸い出した。
「あぶねー今回はばかりは終わったと思ったぜ」
と言いながら仲間と肺いっぱいに煙を吸い込むのであった。